2008年08月23日

花やしきでローラーコースターに乗る

武田百合子の文章が大好きだ。特に「遊覧日記」を愛読している。「遊覧日記」の一等最初の話が「浅草花屋敷」で、だからこのかなりレトロな遊園地は、ずっと僕の憧れの場所だった。
その憧れの場所に、18日、妻と一緒に僕はとうとう足を踏み入れた。モレーノ・ヴェローゾの東京ライヴを観るついでにと、妻が浅草行きを企画してくれたのである。

羽田空港から、京急空港線で京急蒲田、泉岳寺を経て浅草へ。乗り換えはないのだが、何故か京急本線、都営浅草線と路線名がころころ変わる(田舎者には理解し難い)。
駅を出て地下道をくぐり、「浅草一丁目一番一号」の看板も誇らしげな神谷バーの前を通り過ぎて左手にずんずん行くと、すぐに雷門が見えて来る。右に風神、左に雷神。テレビでしか見たことのない巨大な提灯が中央にどどんとぶら下がっている。
仲見世を歩く。人込みも気にせずどんどん歩く。洋食屋「グリル・グランド」で妻はオムハヤシ、僕はミックスフライを食し、その後いよいよ花やしきへと向かう。

外観からして既に可笑しい。何しろ浅草寺のすぐ側なのだ。なのに、五重塔と対で建立されたような顔をして「ちびっ子用絶叫マシン『ぴょんぴょん』」が聳え立っている。
入園料(ひとり900円)を支払って園内に入ると、まずそのあまりのごちゃごちゃ感に眩暈を起こす。思ったより人が多いのも、ごちゃごちゃ感に拍車をかける。パンフレットに「古くて、狭くて、こりゃまた愉快!!」とキャッチコピーがあるが、正にその通りだ。
花やしきのシンボルでもあるという「Beeタワー」に乗り、地上45メートルの高さから狭い園内を一望する。一望しながら、「ローラーコースター」に乗る決意を固める。
実は、僕は生まれてこの方、ジェットコースターの類に乗ったことがない。いわば、生まれて初めての経験を花やしきに捧げるわけである。
「ローラーコースター」乗り場は、思いの外混んでいて、長蛇の列が出来ている。結局6回待ちで僕達の番となった。
ギチギチと異音を発しながらコースターがレールを登って行く。「いまにも壊れそうな感じがたまらない!」という売り文句は伊達じゃない。そして、登坂に1分をかけた名物アトラクションは、銭湯に飛び込んだり隣の遊具とぶつかりそうになりながらもすれすれで身をかわしたりしながら、わずか30秒後にはもう終点に滑り込んでいるのだった。
何故か、みんな笑っていた。僕も、妻も、笑っていた。

「浅草は平たい」という武田百合子の言葉を実感する。
五重塔も「Beeタワー」も「ぴょんぴょん」もあるのに、本当に浅草は平たかった。
ラベル:花やしき 浅草
posted by og5 at 14:57| Comment(2) | TrackBack(0) | 雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
まわれまわれ〜赤いゴーカート〜♪
あわわっこれは違うってな(笑)
楽しそうな初体験でしたね。乗った後にみんなが笑ってしまうとな?
こりゃ〜なくせませんな。
Posted by Fuming at 2008年08月23日 16:59
>Fuming

「Beeタワー」に乗った時見えたんだけど、敷地内のビル屋上に神社があって、そのご神体(?)に確か「花」って書いてあったんだよね。
あれがいい感じだったなあ。
ちなみに、結婚式の2次会や納涼祭等で、夜の花やしきは貸切り出来るそうです(笑)。
Posted by og5 at 2008年08月23日 19:56
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