2008年09月15日

ハンバートハンバート!

まっくらやみのにらめっこまっくらやみのにらめっこ
佐藤良成

ミディ 2008-06-18
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ハンバートハンバートのアルバム「まっくらやみのにらめっこ」を、僕はここ数日間、毎日、繰り返し繰り返し、何度も何度も聴き倒している。

いきなりザ・ウィーザーばりのパワー・ポップ「バビロン」で幕を開ける。「癒し系フォークデュオ」などと評されることもあるという彼等だが、そのサウンドは結構逞しい。佐野遊穂も佐藤良成もとても温かみのある声をしているから、それでそんなことを言われてしまうのかも知れないけれど、いや、別に「癒し系」というのが悪いと言いたいわけではないのだけれど、そんなラベルを貼ってしまうことによって見逃してしまう大切なこともたくさんあるように思われる。

「枯れ枝」、あるいは「静かな家」のような典型的なアコースティック・サウンドの曲にしても、癒されるというよりも胸を抉られる感覚の方が強い。胸を抉られ切なくなることによってこそ得られる「泣いた後」のような状況を「癒された」と呼ぶのなら、彼等は確かに「癒し系」なのかも知れない。だが、それは非常にシビアで、ある意味残酷な「癒し」である。
一方、「大宴会」や「おいらの船」には生命力があふれている。葬式の歌が生命力にあふれているというのも妙な話であるけれど、そこには多分真実がある。これもまた安易な慰めなどでは決してない。

曲作りのほとんどを手がける佐藤良成の歌詞が素晴らしい。また、時に明らかに男の立場で語られるそれらの歌を、女性である佐野遊穂が歌うことによって生じるアンバランスな感じもこのグループの大きな魅力のひとつである。それを、あえて「色気」と呼んでもいいだろう。
(何処までが本当で何処からが虚構であるかは別にして)「透明人間」によって語られる売れてしまったミュージシャンの不安と焦燥は、佐野遊穂の声で歌われてこそあのように胸を打つ。

というわけで、話は尽きないのだが、僕が彼等の他のアルバム全てを一気に注文してしまったことは言うまでもない。
ハンバートハンバートを聴かないで、僕は今までいったい何をやっていたのだろうか。
posted by og5 at 12:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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