2008年10月17日

愉快な「ジーヴズ」

ジーヴズの事件簿 P・G・ウッドハウス選集1 (P・G・ウッドハウス選集 (1))ジーヴズの事件簿 P・G・ウッドハウス選集1 (P・G・ウッドハウス選集 (1))
岩永 正勝 小山 太一

文藝春秋 2005-05-27
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ジュンク堂書店で本棚の間をぶらついていて偶然に見つけたP・G・ウッドハウスの「ジーヴズの事件簿」は、今やなくてはならない僕の夜の友(ナイトキャップ)となっている。

英国の上流階級に属するバーティ・ウースターというちょっと頼りない(しかもかなりお馬鹿な)若主人が語り手である。ジーヴズは彼の執事で、ご主人様が目覚めるとちょうど二分後に完璧な紅茶を持って部屋に入って来るという特技を持っている。
やっと半分くらいまでしか読み終えていないから断定は出来ないのだが、あえて言ってしまえば「ジーヴズの事件簿」の中に「事件」はない。「CASE」というよりも「PROBLEM」であり、それは他人にとっては本来全くどうでもいい話である。
世話好きの叔母に無理強いされた結婚相手から逃れたり、惚れっぽい親友の窮地を救ったり、滞在先のアメリカにやって来た同郷の男に芝居に出るのを止めさせるため四苦八苦したり・・・。
だが、それがひとたびP・G・ウッドハウスの手にかかると、本当に面白くて面白くてしょうがない「お話」になってしまうのである。

芝居好きの男「シリル・バシントン=バシントン」についてバーティとジーヴズが交わす会話が最高だ(以下引用)。

「聞いたことのない名前だ。おまえは聞いたことがあるか、ジーヴズ?」
「バシントン=バシントンというお名前は存じております。三つのバシントン=バシントン家に分かれておりまして──シュロップシャーのバシントン=バシントン、ハンプシャーのバシントン=バシントン、それにケントのバシントン=バシントンでございます」
「イギリスもずいぶんバシントン=バシントンを貯めこんだもんだ」
「さようでございますね」
「急に品薄になる恐れはなさそうだな?」
「はい、おそらくは」

あまりセンスのよくないバーティがおかしな色のシャツや靴下を買って来るたびにジーヴズとの間がギクシャクするのも可笑しい。
いや、これは実に面白い本ですよ。
posted by og5 at 21:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 本・雑誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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