2008年10月19日

演歌じゃない!!

映画「歩いても 歩いても」で、父(原田芳雄)が音楽の好みの問題でむきになり思わず声を荒げてしまうというシーンがある。夕食の食卓、嫁(夏川結衣)が、「(クラシックのレコードが随分ありますけど)他にはどんなジャンルの音楽をお聴きになるんですか?」と訊ねると、「まあジャズかな」なんて結構カッコつけて応えた後で、「でもカラオケで『昴』が十八番だそうじゃないか」と家族に茶化されて思わず怒鳴る、という展開。
その熱いひと言が「『昴』は演歌じゃないだろう!!」であった。

大いに笑ったが、しかし演歌も大好きである僕は同時に少し考えてしまった。谷村新司には何の恨みもないけれど、「『昴』を演歌だなんて言ったら演歌に怒られる」と逆に思ったのである。
家族にとってみれば「昴」も演歌も同じようなものというのがオチなのだろう。しかし、そもそも、「昴」の(多くはこの曲をカラオケで素人が歌う時の)カタルシスと演歌のそれとは全く別物である。つまり、立派過ぎるのだ。
立派じゃないのがいいところ。下世話なところがいいところ。だから、ここが演歌の「キャッチ22」で、実は馬鹿にされることをもって良しとすべきなのかも知れないな、と僕はふと考えた。

今では多くの演歌が(多分ひと頃のニューミュージックブームの影響を強く受けて)それ自体変質してしまっているようにも思われる。
元々流行歌は「世に連れ人に連れ」というくらいだからそれでいいのかも知れないけれど、ご立派な演歌なんてやっぱりあんまり面白くない。
頭の中に急に宮路オサムのニチャッとした顔が浮かんだ。
「殿さまキングス聴かせるぞ!」と相手もいないのに密かに呟く日曜の午後である。

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posted by og5 at 15:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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