2006年03月21日

一番好きな天気

一昨昨日はとても気持ちのいい曇り空だった。
空一面が鉛色に覆われて、その明るいような薄暗いような色あいが、町並みを居心地のいい程よい狭さに包み込んでいた。
僕は久し振りに荒井由実の「ひこうき雲」など取り出して、「曇り空」のまだ若い彼女の声を聴いた。
一昨日は明け方から強い雨で、予定していた今シーズン初めてのスノーボードを諦めたのだが、昼頃からは雲の切れ目から時折青空がのぞく天気となり、それどころか気温が下がってそのうち粉雪さえ舞い始めた。
そして昨日は一日中強い風の吹く月曜日。
仕事で本荘方面へ向かう途中車の窓から見た日本海は、まるで浮世絵の海のように荒れ、白い波頭を岸へ岸へと絶え間なく送り続けていた。

僕の一番好きな天気は何だろう。
人はからりと晴れ上がった青空を大好きだと言うかも知れないし、僕もそんな天気を決して嫌いだとは思わないが、しかし一番好きかと問われればやはり違うと答えるしかない。
曇り空の運動会は美しい。
台風や吹雪の強風の中歩いていると、時に笑い出したくなるのは何故だろう。
雨の音を聞きながら目覚める休日の心地よさは、どんな音楽よりも僕を透明にしてくれる。
もちろん、地上の何もかにもの輪郭を融かし、蝉の声さえ自分の一部になってしまったかのような錯覚を起こさせる、じりじりとした夏の暑さと太陽の熱も僕を幸福にする。

ここ数日、僕は自分の一番好きな天気について考えている。
もしかしたら、と僕は思った。
秋の終わり頃、雲の多い青空と冷たい空気、枯葉を巻き上げ時折ビュウと笛を鳴らしながら吹く強い風、そして突然バラバラと降り出しまたすぐに止んでしまう大粒の雨、湿った枯れ草や土の匂い、雲の向こうで光る太陽、揺れてさざめく水溜り・・・。
こんな季節のこんな天気を、僕は一番好きなのかも知れない。
何の合理的な理由もなく、ただそんな風に感じる。
それだけのことなのだが。
posted by og5 at 10:50| 秋田 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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