2006年10月22日

人は「僕は誰とも違う」と皆同じように思っている

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このブログによくコメントをくれるFumingから、「あのIBMのCMで使われてるキンクスの曲持ってる?」と訊かれたことがある。
その「IBMのコマーシャル」というものを観たことがなかったので即答出来なかったのだが、ネットで調べてみたらそれが「I'm Not Like Everybody Else」という曲であることが判った。試聴してみたら、確かに聞き覚えがあった。が、僕の持っている「FACE TO FACE」にはボーナス・トラックが収録されておらず、他のベスト盤・企画盤にも該当曲は見当たらなかった。多分、以前ベストか何かで持っていたのだが、中古屋にでも売ってしまったのだろう。

遅ればせながらIBMのCMも観た。なるほど、カッコイイ。結構な歳の男女が、「人と同じ人生なんか嫌だ」っぽいことを叫んでいる(というか、まあ、この曲の歌詞がそういう歌詞なのだ)。
しかし、と僕は思った。というのも、この曲「I'm Not Like Everybody Else」の邦題は「僕はウヌボレ屋」というのであって、邦題が適当なこともよくあることではあるけれど、原曲の歌詞を読んだ限りでは、極々妥当な訳し方なのではないかという気がしたからである。
つまり、この曲の「I」は、自分は誰とも違うのだ、人と同じであるということなど受け入れられない、と強く主張するのだが、そう言えば言うほど、「誰だってそうなんだよ!」というツッコミが、天上の何処かからチラチラと聞こえて来てしまうのだ。
だって、レイ・デイヴィスが作った曲だもの。

「人と違う」ことと「人と同じでしかない」ことの狭間で揺れ動く市民の心を、レイ・デイヴィスはよく歌にする。彼は、そのどちらがいいなどと別に断言するわけではなく、ただ人はそのように思うものなのだ、という事実が示されるだけだ。
これは皮肉だろうか。きっと実生活では嫌な奴に違いないレイ・デイヴィスではあるが、その言葉の裏側には案外優しさが見え隠れしている。
だから、IBMのあのコマーシャルにおける「I'm Not Like Everybody Else」は、僕にはちょっとカッコよ過ぎる。ザ・キンクスの様々な曲を聴いて僕が勝手に受け取っていたメッセージは、実は、あのように声高に「自分」を主張し過ぎるとその内足元をすくわれるよ、ということだったのである。

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posted by og5 at 17:15| Comment(2) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
加齢臭するような親父が大きな口あけてるのおかしいでしょ?
僕は自惚れやって邦訳、なかなかいいですね。
Posted by Fuming at 2006年10月23日 12:53
>Fuming

加齢臭という言葉に敏感な私。
僕は自意識過剰。
Posted by og5 at 2006年10月23日 22:16
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