2008年02月10日

いしだあゆみの魅力〜「歌手」編

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いしだあゆみ

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いしだあゆみの声は不思議な声である。
カサカサと風に吹かれてこすれる枯葉のようでもあるけれど、僕には、細い繊維を織り合わせて滑らかに仕上げられた絹のように感じられる。見た目と相俟って線の細いイメージがあるけれど、結構芯が強い。そして艶がある。

いしだあゆみの歌は、その節まわしにも独特の魅力がある。
彼女は、ビブラートをきかせて歌い上げたりはしない。いわゆる「上手い」歌手でもないだろう。しかし、実はものすごくテクニカルに歌を歌っている人なのではないか、と思う。
彼女の声の伸ばし方には大きく分けて3種類あって、ひとつは、ただ棒のように長く息を伸ばす歌い方。ふたつ目が言葉尻に甘えたように「ン」が入る歌い方。そして三つ目が、その節最後の音の頭もしくは長く伸ばした声の途切れる瞬間に「〜(ニョロ)」を入れる歌い方である。
そして、これら3種類の表現が何とも絶妙に組み合わされている。その効果までを考慮して、一小節一小節、スタッフによって(時には彼女を含めて)どの節まわしにすべきかが選択されているに違いない。
ためしに、彼女の大ヒット曲「ブルー・ライト・ヨコハマ」をそのように表記してみれば、「まちのあかりが とてもきれいね よこはまン ぶるーらいとよこはまー〜 あなたとー〜 ふたりー〜 しンあンわせよ〜ー〜♪(以下略)」となる。
僕は、この中で特に「〜(ニョロ)」が大好きである。癖になる、と言ってもいいくらいだ。

いしだあゆみは、絹の声と不思議な「〜(ニョロ)」を含む歌唱法で数々のヒット曲を世に送り出して来た。残念ながら、70年代の「砂漠のような東京で」以降は大きなヒット曲に恵まれていないし、もう本人にもあまりその気がないのかも知れないが、BSフジの音楽ドキュメンタリー「HIT SONG MAKERS 筒美京平編」において、「絵本の中で」を誰かと会話するかのように歌う彼女を見れば、まだまだ多くの魅力と可能性がそこには秘められているような気がするのだが、どうだろうか。

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posted by og5 at 11:46| Comment(0) | TrackBack(1) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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