2008年04月28日

僕の貧弱な「文才」と潜水服の内側

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僕は文章を書くのが苦手である。こんなブログの記事でさえ、実はひどく時間がかかっている。あることを人に伝えようとしても、それを瞬間的かつ的確に表現するということが出来ない。書いて、何度も何度も読み返し、そして書き直してはまた書き直す。時には、おかしな言い回しをしていることに後で気付き、何日も前に書いた記事をわざわざ遡って修正することさえある。
僕が「潜水服は蝶の夢を見る」に感情移入出来なかった原因は、案外そんなところにあるのかも知れない。

時折、文章を妄想するという癖が起こる。その時点においては、僕は素晴らしい文才の持ち主である(そのような気がしている)。しかし、その傑作はたいがい風呂を出る時には消え失せている。あるいは会社に着いた途端に雲散霧消する。たまに僕は茶の間でも夢想するが、その時ちょっとでも家族に話しかけられたらそれでもうお終いである。それ程に僕の記憶は頼りなく、またチャンスは常に僕の手から逃げることばかりを考えている。
ボビーの文章は完璧過ぎる。多分、僕はそのように嫉妬しているのだ。

例えば、雨の日の午後、閑散としたJR駅に人が立っているということを人に伝えようとするだけで、いったいどれくらい多くの異なる表現が考え得るであろうか。ボビーはその中で最良の表現を選択し、気の遠くなるような手法で相手に伝え、「文字」にするのである。「最良の表現」の寿命と煩わしい推敲の存在を、僕はあの映画からついに読み取ることが出来なかった。
だから僕は「潜水服は蝶の夢を見る」にリアリティを感じなかったのかも知れない。あれが実際の実際ボビーの真実であっても、人はあくまでも自分自身の物差しでしか物事を計れないものだから。
posted by og5 at 20:48| Comment(5) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
遅いコメントですみませんが、
私はOg5さんがそんなに文章を書くのが苦手とは思っていませんでしたよ。
なかなかに文才も詩の才能もあると思っています。
今ならDTPとかできるし、詩集をまとめられたらいいかと思うんですが・・・。
いかが?
Posted by としぴー。 at 2008年05月02日 13:37
DTPという言葉を初めて知りました。
駅の構内で「私の詩集を買って!」ってやろうかなんて冗談で言ってたことはありますが、まあ本当に冗談であります。
「言いたいことが形になるまでひどく時間がかかる」かつ「それは間々形になる前に消えてなくなってしまう」のが悩みの種。
昔の小説家の原稿用紙とかでも結構修正しまくりだったりしますけど、ま、僕レベルの「推敲」の悩みとは比較にはなりません。
Posted by og5 at 2008年05月02日 18:30
og5さんお久しぶりです。
私もogさんが文章を書くのが苦手なんて考えもしませんでした。tomoskaさんに合うといつも話すのですが、ogさんの文章に頷いたり、思わず膝を叩いたりしているさるとびです。
文章を書くのが苦手なのは私の方です。ここであえて書かなくてももうご存知かとは思いますが・・・ブログでは写真をやたら貼り付けてごまかしております。最近はその写真も日ごと大きくなっております。(爆)
Posted by さるとびE at 2008年05月03日 21:51
>さるとびE様

こちらこそお久し振りでございます。
GW中は陶芸三昧しておりました。
お返事遅くなって申し訳ない。
としぴー。さんからもコメント頂きましたが、そもそも今回の「苦手」は枕詞のようなものなのであまり深く考えないで下さい(というのも変か・・・)。

差し上げたいカップ&ソーサーがあるので、今度是非お立ち寄り下さいませ。
Posted by og5 at 2008年05月06日 23:05
og5様
カップ&ソーサー、とってもうれしいです。
近いうちに寄らせていただきます。
本当にありがとうございます。
Posted by さるとびE at 2008年05月07日 20:35
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